Musiquarium

音楽酔族館

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「Perspective」 Yellow Magic Orchestra

私と同年代の感度の高い音楽好きな男子たちは、

間違いなく少年期にこの音楽の洗礼をうけているのではないか。

当時、このYMOという音楽は日本でブレイクしたのではなく、

海外から逆輸入された。

私が心酔する三島由紀夫などは、日本国内よりも海外での評価が圧倒的に高いが、

レヴェルが高い日本文化ほど海外での評価が高いようだ。

それだけこの国の多くの人間の美意識が劣化しているということだと思う。


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この「Musiquarium」でも、

坂本氏の「A Flower Is Not A Flower」、「Zero Landmine」を取り上げたけど、

この音楽の思想は現代も根強く生き続けている。


2001年4月30日にTBSで放映された「地雷ZERO 21世紀最初の祈り」という番組のなかで、坂本氏による「Zero Landmine」がライブで演奏されたが、

視聴率の中心世代が35歳から45歳の男性に集中していたというデータが、

若き日に洗礼を受けた多くの信者が今も変わらずこの音楽を支持し続けていることを物語っている。



YMOの「Perspective (1983)」に久しぶりに触れて、

毎日を淡々と過ごすことが大切であること、

しかしながら、自身の感性を経年劣化させてはいけないということ、

そして普遍的な美意識を持ち続けなければいけないということを

じんわりと感じた。


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朝起きて、

窓を開けて、

歯を磨く、

新聞紙を読み、

あなたの顔を見つめる。


そんな毎日を、

何十年後も変わらない自分で続けられているだろうか。


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「The Way We Were」 Barbra Streisand

季節はめぐり、

秋の到来とともに新しい生活を始めた私は、

この週末に久しぶりに立ち止まって、

秋の深まりを感じた。


高速道路で走っている途中は景色を楽しめないが、

しばし立ち止まることで周りの田園風景の美しさに驚いたりする。

今はそれと同じ状態。


このかすかな肌寒さを感じるとこの曲に触れたくなる。

なつかしいサウンド。

Barbra Streisandの「The Way We Were (1974)」。


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「The Way We Were(邦題:「追憶」)」というあまりにも有名すぎる映画の主題歌だけど、

この映画自体は正直どうなんだろう。

私にはこの曲の美しさしか残らなかった。

そして30年以上残り続けた。


今年もこの曲はこの季節に私のもとに訪れ、私に寄り添ってくれる。

私にとっての美しい音楽はいつも忘れた頃に訪れてくる。

だから、これからも永遠に忘れることができないんだろうな。


では、そろそろパーキングエリアを出てまた走りだしますか。


「Like A Baby」 WHAM

実体のないものに関与しすぎて、

私は本当に時間を無駄に過ごしてしまった。

上っ面の煌びやかさ、派手さの裏には、

虚構以外の何もないことに気づくのに少し時間がかかりすぎてしまった。


「WHAM」という80年代を席巻したデュオ・ユニット。

多くの人々は彼らを「アイドル」という眼で見ているようだが、


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「Like A Baby (1984)」という曲に触れて、

私はふと我にかえった。



東京という場所にこんな水辺があり、

こんなにも美しい夕日があることを知った。


自分の眼でものを見ることのできない人間のなんと多いことか。

こんなことに気が付くのに時間をかけ過ぎてしまった。




「A Flower Is Not A Flower」 坂本龍一

20代の頃からの常宿が下田にあって、

毎年夏になると出かけた。

決して華美ではないが落ち着いた、食事が美味しい宿。

私の母親と同じ年頃のオーナーの女性が切り盛りしていた。

ここのおカミさんが少しエキセントリックなかたで、

ただの会社員の私をなぜかいつも芸術家と信じ込んでいた。

いちいち説明するのが面倒くさいのでそのままにしておいたんだけど。


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この宿の大きな玄関には、いつも真っ黒い大きな犬がいた。

少しボロな敷物を敷いていつも座り込んでいた。


おカミさんの話によるとこの宿を始めた直後くらいに、

棄てられて宿の周りをウロウロしていた黒い子犬を拾ったらそのまま居座ったそうだ。


クロという犬。


棄てられた記憶からかあまり人間になつかず、子供なんかが来ると、

ボロな敷物をくわえてどこかへ行ってしまう。


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ある晩、私が風呂上りに踊り場で椅子に座ってひとりでビールを飲んでいたら、

クロが私のところへやってきて私に寄り沿い、

私のひざに頭をのせて眼を閉じた。


それを見たおカミさんは、「おや、めずらしい」と驚いていた。


今から10年くらい前の夏に、

またこの宿を訪れた。

車の中で、坂本龍一氏のアルバムを聴いていた。

「A Flower Is Not A Flower」という曲が美しい。

国道135号線から見える夏の相模湾の深い蒼とよく似合う。


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この宿に着いたときに違和感を感じた。

クロがいない。

ボロな敷物はある。


おカミさんに訊ねたら、私たちが訪れる2週間前くらいに死んだそうだ。


その宿の庭の雑木林に小さなお墓が作られ、

クロの水飲みに水が注がれていた。


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帰りの国道135号線も深い蒼に包まれていた。

「A Flower Is Not A Flower」が美しい。

チェロとバイオリン、

そして坂本氏のピアノのアンサンブルが、

なぜかとても哀しく聴こえた。


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そしてとりとめもなく美しいこの曲は、

私の中で、

哀しみと手をつないでしまった。


「A Flower Is Not A Flower」。

とりとめもなく美しく、

とりとめもなく哀しい曲です。


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